6[さよならWinようこそLinux]最新のLinux Debiandog BookWormDogの作成とインストール
イントロダクション:
僕は、60歳で定年退職、その後再就職、65歳になるときに完全にリタイアしました。
少しまとまった時間が取れそうなので、ずっと使っているLinuxを一から勉強し直そうと思いました。
今回は、6回目になります。
前回は、世界で最も人気のあるディストリビューションである MX Linuxをインストールしました。
今回は、MX Linuxを利用して、新しいデュトリビューション BookWormDog を作成してみることにします。
ディストリビューションを作成するといえば、なにか難しそうですが、たった一つのスクリプトを動作させるだけで、完成してしまいます。
Linux BookWormDogは、最新のLinuxディストリビューションの一つです。
今回はBookWormDogを作成したいと思ったきっかけは、単独でダウンロードできるサイトがないことや軽量でありながら本格的なLinuxとして、活用できると考えたからです。
Linux BookWormDogとは何か
Linux BookWormDogは、最新のLinuxディストリビューションの1つです。
Debianベースの軽量で高速なオペレーティングシステムであり、古いコンピュータでの使用も適しています。
完成した ISOのファイルサイズは438MBしかありません。
今回は、BookWormDog の作成を行いますが、作成したものをダウンロードできるようにする計画でいます。
BookWormDogは、カスタマイズ性が高く、好みに合わせてパッケージを追加、削除、変更することができます。
自分好みのLinuxを作成してみてください。
さらに、BookWormDogはフルーガルインストールもできるので、他のデバイスで動作させたいときは、BookWormDogのフォルダーをコピーするだけです。
BookWormDogを使用すると、システムの速度と安定性が向上し、快適な環境を手にすることができます。
作成とインストールは比較的簡単で、手順に従ってすぐに利用できます。
Linux BookWormDogの作成手順
Linux BookWormDogの作成手順についてお話しましょう。
まず、「必要な材料」として、パソコン、インターネット接続が必要です。
それでは、インストール手順に進みましょう。
最初に、公式の「Welcome to Dog Linux」のウェブサイトを訪れ、Bookworm build script をダウンロードします。
Welcome to Dog Linuxへのリンク
必要な「材料」はこれだけです。
https://forum.puppylinux.com/viewtopic.php?t=5069
上記から、mklive-bookworm.gz をダウンロードして、gzを削除、実行権限を加えます。
ターミナルを起動して、
mklive-bookworm -gui を実行します。
すると、下記のような画面が現れます。
ここで、好きなものを選択すれば良いのですが、おすすめは 「ObDog」です。
OK を選択すると、下記のような画面が現れますが、大切なのは、「Settings」のタブです。
「Settings」を選んで、「Create ISO with UEFI support」にチェックを入れます。
これを行わないと、ISOファイルを作成してくれません。
OK を押すと、BookWormDog の作成がはじまります。
作成の途中で、keyboardの設定やroot,puppy のパスワード を聞いてくるので、設定します。
また、最後に ファイルを gzip、xzのどちらで圧縮するか決定します。僕は、xz を選びました。
終了すると、
DebLive_bookworm-amd64-UEFI.iso という ISOファイルが作成されています。
さて、これでLinux BookWormDogの作成手順は完了です。
BookWormDog のダウンロード
MX Linux を使えば、BookWormDogを作成することができますが、今回作成した BookWormDogのISOファイルをダウンロードできるようにしておきます。
DebLive_bookworm-amd64-UEFI.iso のダウンロード
BookWormDog ができあがったので、Linux BookWormDogの世界をたのしみましょう!
Linux BookWormDogのインストール方法
Linux BookWormDogをインストールする方法は非常に簡単です。
BookWormDog は、見た目や動作そのものは、PuppyLinuxのように作成されていますが、実は、Debian の構造は変更されておらず、Debianのドキュメントは BookWormDog に対して100%有効です。
もちろん、apt-get または synaptic を使用して、すべてのリポジトリにアクセスできます。
つまり、本格的なLinuxなのです。
その本格的なLinuxが、PuppyLinuxのようにフルーガルインストールできてしまうのです。
フルーガルインストール liveフォルダーをコピーするだけ
次に、BionicPup や DpupStretch7.5 などのPuppyLinuxで、ダインロードしたISOファイルを開いて、live フォルダーを丸ごとコピーします。
コピーするのは、live フォルダーだけでかまいません。
僕が、Dog系のLinuxを使う大きな理由は、本格的な? Linuxがフルーガルインストールできることです。
この便利さを知ってしまったら、なかなかインストールメディアを作成するLinuxには戻れません。
grub4dos または grub の設定
他のPuppyLinuxもインストールしている環境で、BookWormDogの起動に grub4dos を使用する場合は、menu.lst に下記のスクリプトを追加します。
title BookWormDog (sdb3)
root (hd0,2)
kernel (hd0,2)/BookWormDog/live/vmlinuz1 noauto from=/BookWormDog/ changes=/BookWormDog/live/
initrd (hd0,2)/BookWormDog/live/initrd1.xz
(hd0,2) は、1番目のハードドライブ、3番めのパーティションにBookWormDogをインストールしたことを表しています。
BookWormDog はインストールするために作成したフォルダー名です。つまりliveフォルダーをコピーした場所になります。
一方、grub.conf に記述して、BookWormDog を起動する場合は、grub.confに下記を追加します。
menuentry "BookWormDog (sdb3/BookWormDog)"{
set root='(hd0,2)'
search --no-floppy --fs-uuid --set=root 4b77cab6-bbb5-4334-856e-f8c194af595b
linux /BookWormDog/live/vmlinuz1 root=UUID=4b77cab6-bbb5-4334-856e-f8c194af595b from=/BookWormDog/ noauto changes=/BookWormDog/live/
initrd /BookWormDog/live/initrd1.xz
}
linux /BookWormDog/live/vmlinuz1 root=UUID=4b77cab6-bbb5-4334-856e-f8c194af595b from=/BookWormDog/ noauto changes=/BookWormDog/live/
は1行なので注意してください。
また、4b77cab6-bbb5-4334-856e-f8c194af595b はパーティションのuuidです。これは、ターミナルを起動して、blkidなどのコマンドで調べることができます。
BookWormDog の英語モードでの起動
以上で、英語モードで起動できるようになりました。
画像は、すでに日本語化が終了しているものです。
BookWormDogの日本語で表記するために
BookWormDogを日本語で表記するために、日本語フォントを導入します。
まず、wifi を設定してインターネットに接続します。
接続ツールにはPeasyWiFiが導入されているので、簡単にネットに接続できるでしょう。
1 準備として、/etc/apt/sources.list を編集します。 ターミナルから、 sudo leafpad /etc/apt/sources.list を実行し、下記の部分を追加しました。
deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ bookworm main contrib non-free
次に、キーボードのレイアウトを日本語にしましょう。
ターミナルから sudo leafpad /etc/default/keyboard と入力します。
XKBMODEL="pc106"
XKBLAYOUT="jp"
に変更します。変更したら保存してくださいね。
または、BookWormDogのメニューには、Set ketboard layout があるので、そこら起動して設定してもOKです。
日本語フォントのインストール
ここで、Synaptic パッケージマネージャ から日本語フォントをインストールします。
僕は、takaoとVLゴシックを入れました。fonts-takaoとfonts-vlgothicを検索して、インストールすればOKです。
最近、人気のフォント noto-cjk を導入しても良いと思います。
ここで、アップデートしておきましょう。(しなくても不都合はないと思いますが。)
# sudo apt-get update
# sudo apt-get upgrade
ロケールを入れて日本語に変更
いよいよ、日本語表記にするためにロケールを設定します。
ターミナルから
# sudo apt-get install locales
# sudo dpkg-reconfigure locales
または、BookWormDogのメニューから、Set Locale/Language を選択しても良いでしょう。
ja-JP.UTF-8 を選択します。
確認のために、leafpadなどで、下記を開いて、コメントアウト部を削除します。(すでに、削除されていると思いますが・・・)
sudo leafpad /etc/locale.gen
#ja_JP.UTF-8 UTF-8 (変更前)
ja_JP.UTF-8 UTF-8(変更後)
変更した場合は設定を次のコマンドで反映します。
一度再起動しましょう。
# sudo locale-gen
ja_JP.UTF-8
続いて、日本語環境に設定します。
下記のコマンドをターミナルから実行します。
# sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
# sudo LANGUAGE="ja_JP:ja"
# sudo source /etc/default/locale
次のコマンドで、ja_JP.UTF-8 と表示されればOKです。
# sudo echo $LANG
ja_JP.UTF-8
ロケール設定確認
再起動して、端末でロケールを確認します。すべての日本語設定はこのようになっています。
# sudo locale
すでに、メニューなどが日本語化されているはずです。
タイムゾーンの設定
時刻の設定をします。下記のようにターミナルから入力します。
# sudo dpkg-reconfigure tzdata
Asia→Tokyo を選択します。
または、メニューから Setup Timezone を起動しても良いと思います。
iBus Anthy fcitx Mozcのインストール
BookWormDogは rootで起動したり、一般ユーザーで作業したりと切り替えながら操作できます。
しかし、rootでは、日本語変換 mozc が起動しないため、Anthyを導入することにしました。
ターミナルを起動して、
# sudo apt install --install-recommends kasumi ibus-anthy im-config
im-configを端末から起動させようとしたとき、zenity が足りないと言われたら、Synapticパッケージマネージャからインストールするか、
-c オプションをつけて、下記のようにターミナルから im-config を起動してもよいでしょう。
zenityのような大きなファイルをインストールせずにすみます。
# sudo im-config -c
root 環境では ibus anthy を選択しました。
これで、root でも、日本語変換ができるようになりました。
また、一般ユーザーモードで日本語入力では mozc を使いたいので、
まず最初に fcitx 、fcitx-mozc 及び推奨パッケージをインストールします。
ここでは、推奨パッケージを同時にインストールするため、「--install-recommends」オプションをつけて、端末からインストールしていきます。
$ sudo apt install --install-recommends fcitx fcitx-mozc
従来の方法、Synaptic からの fcitx-mozc のインストールでは、推奨パッケージのインストールが不完全なため、追加パッケージが必要となっていました。
そして、問題なのは何が足りないのか分からないことです。
今回のインストールでは、下記のように必須のモジュール群が追加インストールされています。これらがないと mozc が立ち上がらないようです。
・fcitx-frontend
・fcitx-config
・fcitx-module
・zenity
一般ユーザー、rootで切り替えながら仕事をする方法
mozc はユーザーモードでしか動作しませんので、ここで puppy へ切り替えます。
・Ctrl+Alt+F2 でログイン画面へ
・puppy、puppy でユーザーモードへ
・startx でユーザーモード起動
ルートモードへ戻るには Ctrl+Alt+F1、その後、ユーザーモードへ行くには Ctrl+Alt+F2、ルートとユーザーを F1 と F2 で行ったり来たりできます。
・ルートモード : Ctrl+Alt+F1
・ユーザーモード : Ctrl+Alt+F2
システムをメインテナンスをするには、rootで作業、普段は、一般ユーザーで作業するなど、とても便利に使っています。
root での起動画面
一般ユーザー puppyでの起動画面(実際は、adduserユーザーを追加、自分のログイン名でログインしています。)
inux BookWormDogの利点
速度と安定性
Linux BookWormDogは、その速度と安定性において他のLinuxディストリビューションを凌駕しています。
もし、高速で安定したパフォーマンスを求めているのなら、このディストリビューションが最適です。
快適な作業環境でストレスなく作業することができます。
カスタマイズ可能性
Linux BookWormDogは、カスタマイズ可能性の高さでも知られています。
あなたが自分の好みに合わせてディストリビューションをカスタマイズしたい場合、BookWormDogはあなたにぴったりです。
ユーザーフレンドリーなインターフェースと豊富なカスタマイズオプションが用意されています。
速度と安定性、そしてカスタマイズ可能性の魅力に引かれて、Linux BookWormDogの世界へ飛び込んでみましょう!
おわりに
Linux BookWormDogの作成とインストールの詳細な手順を学びまた。
さて、おわりにまとめると、Linux BookWormDogは高速かつ安定性に優れ、カスタマイズ性も高いオペレーティングシステムです。
イントロダクションでは、Linux BookWormDogの概要を見てきました。
これは短い紹介でしたが、本当の魅力はまだまだあります。
BookWormDogをぜひインストールしてみてください。